おでかけ事業部からご紹介する 「行ってきました!〇〇」シリーズ 神奈川 真鶴

第四弾は 沖野ヘルパーのリポート 神奈川 真鶴からです!

「真鶴にうまい海鮮料理屋があるんだ。ぜひ食べに行こう!」とお誘いを受け、神奈川県は真鶴へ。

ご一緒したW様は、35年前の脳内出血にて右半身に麻痺が残り、車椅子を利用されています。3年前、点描画に目覚めて多数の作品を制作し、BS8チャンネルでも放映されるほどの腕前の持ち主!旅行も大好きで以前は全国各地に行かれていましたが、コロナ禍で行けない日々が続きました…

そしてついに、今回は待ちに待った久しぶりの外出!「昔から馴染みのある真鶴へ行きたい」と電車・タクシーを乗り継ぎ、片道2時間の小旅行。いつも近隣への外出時は電動車椅子を使いますが、今回は遠出のため、通常の車椅子で行くことに。この日のために用意されたおしゃれな服装・帽子、真新しいカバンでいざ出発!

自宅近くの駅から品川駅に向かい、東海道線に乗り換え。トイレのある車両をご希望で、今までも長めの停車時間を見計らって使用されたことがあるそう。

車内では早速、持参された作品をいくつか見せてくださいました。点描画作品が表紙になった機関誌や掲載されたパラアート作品集本、どれも素晴らしかったです!最近はカルトナージュ(厚紙に布や紙を貼るフランスで生まれた工芸)にもハマり、名刺入れなども作られているとのこと。

とても愉快なダジャレや巧みな話術で会話が途切れず、あっという間に真鶴駅に到着。

「私は雨男なんだ」と言われていて天気予報も実はあやしかったのですが、なんと目が覚めるほどの快晴。ウキウキしながら、お目当ての海鮮料理屋へ向かいます。

席に着きしばらくするとドカーンと豪勢な舟盛りが運ばれてきました。鯛がピチピチはねていて、新鮮な魚介類が満載。W様、鯛のパクパクした口にわさびを入れようとお茶目ないたずらをされ、それに驚くこちらの反応に、してやったりとニンマリ。

「ひとりで食べるご飯はつまらないけど、こうやって一緒に食べると美味しいなぁ」としみじみ仰った言葉が印象的でした。笑いながら楽しく、そしてお腹がはちきれるほど大満足の昼食でした。

店前に岸まで下りられるスロープがあったので広がる海をもっと近くで見ようと少しお散歩。「空気が良いし、景色も最高だ。心が洗われるね。やっぱりこうして出かけないとな」と表情も穏やかで、真鶴にいることを心地よく感じられているご様子。近くにある中川一政美術館や日帰り温泉にも寄りたかったけれど、次回のお楽しみにしようということに。

帰りの車中では、楽しかった今日のことをワイワイ話しながら振り返りました。品川駅は帰宅ラッシュで大変混雑していましたが、この時の駅員の対応がキビキビしていてすごかったです。周囲への声かけと、手を左右に動かしながらうまい具合に道を開けていく。おかげでスムーズに乗り換えが出来ました。乗降客が多いターミナル駅ではよくよく訓練されていて、気持ちの良い車椅子ファースト対応に帰宅ラッシュ時間であることを忘れるほどでした。

自宅近くの駅に近づくと、寂しげな表情をされるW様。「これからがおでかけスタートですよ」と言うと少し笑顔が戻り、「そうだね、行きたい所があるから、これからもよろしくね!美術館や温泉巡りもいいねー」と、おでかけ欲がムクムクと出てきたよう。さあ、次はどこに行きましょう!