対談企画 在宅ケアの危機、どう乗り越える?

 5月15日、オンラインイベント「在宅ケアの危機!コロナが教えてくれたこと 介護サービスを続けるために」にて、障がい当事者でヘルパー事業所を運営する吉田真一さんと、グレースケアの柳本による対談が行なわれました。北海道から大阪まで、介護に携わる方々17名が参加しました。

 

 

 吉田さんは自らがコロナに罹り、社員の9割が濃厚接触となったため保健所から業務停止となった経験を語りました。他の事業所の助けを得て何とかケアを継続したものの、施設入所につながってしまったケースもあり、精神的にも辛かったとのこと。反面、社員に任せて自立を促すことができ、早い対応と透明性が大事だと学んだそうです。

 

 

 

 柳本からは、市中感染の状況と、関わった感染者・濃厚接触者のケースを紹介。特に1月の第三波のときは保健所もなかなか動けずに混乱したことから、近くの事業所に物資を頼ったり、独自のガイドラインを作ったり、感染防護の研修や一時持ち出しキットの準備、防護手当を支給したことなどを報告しました。

 

 

 後半はQ&Aセッションを含む座談会を行ないました。ヘルパーは利用者居室をレッドゾーンと定め、対コロナ重装備で入るかたわら、ご家族はノーマスクで普通に出入り…などのエピソードも。コロナ対策とはいったい…。

 他にも「医療従事者は優先的にワクチン接種されているのに、利用者と密なヘルパーはなぜ後回しなのか」といった疑問や、かつて2年病院で暮らした吉田さんによるコロナ入院の肝など、ここでしか聴けないユニークな話題がたくさん語られました。

 感染発生以来、マスクの不足、PCR検査の不足、防護服の不足、そしてワクチン接種の遅れなど、そのつどまん延する課題にふりまわされながら、危機だからこそわかるまちつながりのありがたさや、本当に大切にしたい価値。これからも、私たちはコロナとともに在宅ケアサービスの更新を続けていきます。