スタッフ紹介 介護の世界で“MeToo” 藤原ヘルパー 新書刊行記念
介護の世界でやっとはじまる“MeToo” 藤原るかヘルパー新刊『介護ヘルパーはデリヘルじゃない』
こんにちは。藤原るかです。訪問ヘルパーを始めて25年以上が経ちました。0歳の赤ちゃんから100歳を超えた高齢の方まで、幅広いケアができるこの仕事を日々楽しんでいます。ヘルパーを始めたきっかけは、障がい児の水泳指導ボランティアをしていたときに、「コーチにぴったりの仕事がある」と勧められたこと。区役所のヘルパーとして働くうちにこの仕事に魅了され、介護保険がスタートしてからも、民間に移って続けてきました。 しかし、介護保険が改定されるごとに、本人らしい暮らしをつくっている掃除や洗濯などの生活援助が削られていくことに。現場からの声を上げなければと、行政に生活援助の有効性を訴えたり、労働条件の改善を求めて活動してきました。厚労省に99歳のおばあちゃんと一緒に乗り込み、会見をしたことも。
2012年に初めて出版した『介護ヘルパーは見た!』(幻冬舎新書)は、より多くの人にヘルパーの仕事について知ってほしいという願いを込めて書きました。これまで体験してきた、在宅ケアの面白おかしいリアルを詰め込んでいます。その中ではハラスメントについて触れませんでしたが、当時から訪問現場でのセクハラ・パワハラは存在していました。自分は何とかうまくかわしてきましたが、それが原因で病気になったり離職したりする人もおり、いつかその実態を明らかにしたいと思っていました。そこで、今回はハラスメントに焦点をあてて、続編を書かせていただきました。版元の決めたタイトルが過激なこともありビクビクしながら出版しましたが、反響は大きく、手ごたえを感じています。これからもヘルパーを続けたいのは、ケアを通じて人生や社会を捉え直し、自分を鍛えることができるから。2002年から始めた「世界のヘルパーと出会う旅」では、台湾、韓国、フランス、オランダ、米国…ともう14ヵ国を回りました。
他の国の制度やヘルパーの働き方を知ると、日本のケアのあり方を考え直すきっかけになります。これからも世界のヘルパーと交流しながら、介護職同士が学び合い、働きやすい社会を作っていきたいと思います。