楽しい思い出を重ねて① さくまの家で暮らした礼子さんとの日々

  1月6日、ナースさくまの家(以下、さくまの家)で暮らしていた礼子さん(享年56歳)が旅立たれました。ここで過ごした1年間、たくさんの思い出ができました。

     

礼子さんから 母の日のプレゼント

 

    地元の作業所に通い、どこでも人気者だった礼子さん。40代でがんが見つかり、これまで入院や手術をくり返していました。おととしの冬に入院した病院で落ち着かず、ヘルパーが日中や夜間に付き添ったのが始まりでした。やっぱり家で暮らすのがいいけれど、お父様も高齢で負担が大きく、退院してからはさくまの家で暮らすことに。貧血状態が続いて不安定な時期もありましたが、昨年2月に輸血したことをきっかけに、体調は少しずつ回復。余命一ヶ月と言われていましたが、買物に行ったり、作業所に出かけられるほど元気になりました。    

 

 

      朝目が覚めると、まず新聞のテレビ欄をチェックするのが礼子さんの習慣。歌番組や刑事ドラマ、アニメが大好きで、その日に見たい番組を紙に書き出しました。特に日曜日の朝は好きな番組が多く、とても忙しかったです。日中は作業所にパン作りに出かけたり、お気に入りの男性ヘルパーと外食に行ったり。絵や折り紙も好きで、集中すると次々に作品を生み出していました。夕方には弟さんと電話し、時にはケンカしたことも。「もう出ない!」と言いつつ、待ちきれなくて礼子さんから電話することもありました。    

 

 

 

    利用者さんやヘルパーだけでなく、訪ねてこられたご家族ともすぐ打ち解ける礼子さん。初めて来る人や見学の方にも優しく、入りやすい雰囲気を作ってくれました。あるときは泊まり込みで付き添っていたTさんのご家族と一緒にくす玉を作り、お母さまを看取る前の心細い時期に大きな癒しになっていました。