おすすめ本 『シンクロと自由』村瀬孝生著 医学書院

グレースケアには約800冊の図書があり、 ものがたり事業部が管理しています。
よい本、紹介したい本、たくさんありますので、今後もこちらのお知らせでスタッフのレビューとあわせて紹介していきます。

さて、今回おすすめしたいのは、2022年7月に発売された村瀬孝生氏の『シンクロと自由』です。
毎日新聞の読書欄では名著であると評され、ラジオ番組「高橋源一郎の飛ぶ教室」でも取り上げられました。

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読後、久しぶりにいい本に出会えたと、涙が出るほど感動した。そして、介護に携わる人たち、介護職員や家族に是非読んで欲しいと思った。


著者は福岡にある特別養護老人ホーム「よりあいの森」や「宅老所よりあい」などの総括施設長。

長年高齢者と関わることにより、人としての生き方を学び、認知症からターミナルケアまで多くの著書を表してきた。

「シンクロと自由」では「そういうお年寄りっているよね」という段階から「時間が分からなくなれば時間から解放される」、「子どもの顔が分からなくなれば親という縛りから解放される」、「自分を縛っていたあるべき自分から解放される」という人間の本質に迫っていく。

いつしか、どこかで介護される側も介護する側も折り合いをつけ、互いに自由になっていく。

著者が「おわりに」で書いている。

 近年介護は職業として人気がありません。大変という印象だけが先走っています。確かに待遇や賃金、労働環境の改善が必要です。ただ、それだけでなく、介護にある深みにふれることができたなら、多くの人がもっと気楽 に生きることができると思います。この本が少しでもそれに資することができたなら幸いです。

ぜひ手に取って見てください。