ヘルパー合作!お役立ちグッズの数々
「今日はセーターを着るのに1時間かかったの」。
三鷹市内の施設にお住いのSさん(81)が、訪問した林ヘルパーに話します。
「もう少し襟ぐりが大きければ着やすいけど、肌が丸見えになってしまう… マチをつけたらどうかしら」。
林は早速、色合いの合う毛糸を手に入れ、得意の裁縫を活かして胸元にマチをつけました。
「諦めていたけど、また着れて嬉しいわ!」。
もともとは、週に1回Sさんを訪問し、買い物の代行から始まりました。
施設の食事に足りない栄養や嗜好を満たすために牛乳や果物、こだわりのサプリを買ったり、なじみの化粧品を吉祥寺の銘店で購入したりしています。
仕事は徐々にそれにとどまらず、Sさんの暮らしを支える工夫に広がっています。
片手に麻痺があり、車いすで膝の上のバッグを支えにくくて困った…。
あれこれ二人で考えて、おしゃれな模様のタオルを折って両端を縫い合わせ、ひもをつけて『肩掛け安心バッグ』を作りました。
また居室内で水をこぼしてしまったとき、床にかがんで拭くのは難しい…、毎回職員さんを呼ぶのも億劫だし自分でやりたい…。
そこでまたまたアイデアを練り、100円ショップで突っ張り棒を入手、余っていた晒の布を使って、ハタキ状の『遠隔操作雑巾』のできあがり。早速使ってにこにこ顔のSさん。林も嬉しい瞬間です。
Sさんが脳梗塞を発症したのは数年前のこと。台所で倒れているのをご主人が見つけ、救急搬送されました。しかしご主人は、Sさんを助けた翌年に亡くなります。
「倒れて1年後だったから、記憶が曖昧。事実を認識するのがやっとで、悲しいのかどうかもわからなかった」。
今、身体や環境に不自由があっても、様々な工夫をしながら自分らしく生活しているのは、「主人が助けてくれちゃったから、頑張って生きなきゃしょうがない」とのこと。
他にも夜中に毛布がずれるのを避ける『足元折り返し毛布』や、冷蔵庫を整理する『仕切りボトル』、『らくらく着回しベスト』などなど、Sさんの暮らしに合わせた仕様の便利グッズが増えています。
グレースケアのモットーでもある、「できない理由よりするための工夫を探す!」を実践しているSさん。引き続き、いろいろな工夫を共に愉しんでいければ嬉しいです。次は便利グッズで特許を狙いましょう!