「こんなヘルパーはイヤだ!」オープンセミナー開催

 9月27日、吉田真一さんを講師にオープンセミナーを行い、「こんなヘルパーはイヤだ!」をテーマにお話し頂きました。

 吉田さんは19歳のとき、バンド仲間と海に飛び込み頚椎損傷に。奇跡的に助かり、リハビリを重ね復帰しますが、大学ではエレベーターがなく教室に行けない、飲み屋でも入れないなど「邪魔者扱い」が重なりふさぎ込みます。そんな時、仲間からバンドを誘われ、数年ぶりにライブに出演。段差も仲間が担ぎ上げて、久々のステージへ!この日の経験が吉田さんの「生きていく理由」になりました。

 参加者へは「車いすになっても続けたいことは?」と質問。会場からは「美味しい物を自分の好きなタイミングで食べに行きたい」「スーパー銭湯に行きたい」「仕事をしたい」といった答えが挙がりました。さらに「それはわがままですか?」「排泄、食事、風呂の三大介護さえあれば幸せですか?」と。人が普段からやっていることをやりたいと思うのは当然なのに、制度上では制限されたり、できないと言われてしまうのはなぜか…。

 吉田さんの掲げる「世界いち気持ちいい介護」とは「その人の選択や大切なことが尊重されている状態」。それに反するヘルパーや看護師の例を、実体験から挙げられました。

・「どうしたの」「ちょっと待ってね」「ダメでしょ」といった言葉遣い

利用者は友達でも家族でもないのにいきなりのため口

・親や教師のような態度

「プリンは1個だけ」という支援者。長生きしたいと言ってないのに、一方的に制限

・普通を忘れている

排泄ケア用品を食卓に広げるヘルパー。自分の家で同じようにやれないはず

・元気がない

頼んでいいのかなと不安。仕事として来ていることを忘れず「ちょっと上機嫌のためのセルフケア」をどうか大切に!

 最後に「介護は素晴らしい仕事なので、イヤなヘルパーにはならないで、私達の味方でいてください」という言葉で締めくくられました。つい余裕がなかったり、決まりだからで済ますイヤな専門職になりがちなところ、利用者の生活目線とグレースケアの原点も思い出させてくれた研修でした。吉田さん、参加くださった皆さん、会場手配に協力くださった駅前地域包括支援センターの方々、どうもありがとうございました!

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